「お彼岸とは何か?」──季節の巡りと魂に向き合う日本の知恵
Team Dharmaの取り組みの1つとして、月に2回三本楽座という筋トレ × 瞑想 × 対話を通じて、自分の身体・心・思考を整える実践会があります。4月に行われた「日本人の誇りとは」とテーマとした対話を紹介します。
🟡 今回のテーマ:MC松村からの問い
「“お彼岸”って、あなたにとってどんな意味がありますか?」
三本楽座では、春分の日が近づくこの時期に、「お彼岸」という日本特有の風習について語り合いました。
スーパーに並ぶおはぎ、家族での墓参り、そしてそこに込められた“意味”とは一体何なのでしょうか。
🟢 1. 「お彼岸」は生活に溶け込んだ季節の節目
ある参加者は、こんな風に話し始めました。
「小さい頃は、“おはぎが食べられる日”として楽しみにしていた」
「“暑さ寒さも彼岸まで”という言葉通り、春の彼岸ではタイヤ交換の目安になっていた」
こうして見ると、「お彼岸」は身近な暮らしと自然の変化を結ぶ節目として、日本人の生活に静かに根づいていることがわかります。
🔵 2. 魂と季節が交差する感覚
話はやがて、「魂」と「季節」の交差点へと広がっていきました。
「雪が残る春の墓参は難しいけれど、秋のお彼岸ではちゃんとお墓に行く」
「亡くなった人の魂が、49日を経て上がっていくのを“白い綿”のように感じたことがある」
「魂の重さは21g──そんな感覚的な話も、子どもながらに受け取っていた」
こうした感覚は、目に見えないものに意味を見出す日本文化の一端であり、現代の私たちにとって貴重な“情緒の知恵”とも言えるかもしれません。
🟣 3. お彼岸と「24節気(にじゅうしせっき)」のつながり
多くの意見が交わる中で、共通して語られたのは24節気の感覚の大切さでした。
「春分や秋分を含む24節気は、茶道や和菓子の世界でも大切にされている」
「ある老舗和菓子店は、常に節気に沿って商品を変えていて、それが美意識や季節感を育てることに繋がっている」
また、別の参加者はこう語ります。
「義理の母が、24節気を軸に行事や儀式を丁寧にしていた。大変だったろうけど、それが文化の継承だったのかもしれない」
季節を“知識”ではなく“身体感覚”で受け取ること。
それが、お彼岸に込められた大切な感性の1つなのかもしれません。
🔴 4. 忘れられがちな“祈り”と“情緒”を見直す機会
MC松村は、今回の対話を振り返ってこう語りました。
「これまで“祭祀”や“儀式”は、自分にとってどこか面倒なものだった」
「でも、お彼岸を通じて、“言葉・祭祀・食・節気”という日本文化の核に触れられた」
「それらはすべて、“情緒”を磨く機会だったのではないか?」
そして現代は、“センスの時代”とも言われています。
そのセンスとは、単なる美意識ではなく、「日々の暮らしの中で、目に見えない価値を感じ取る力」ではないでしょうか。

🟠 5. 今回の対話から浮かんだ“問い”
*お彼岸を、季節の変わり目としてだけでなく「魂との対話」として捉えたことはあるか?
*形式ではなく、儀式の“意味”をどう伝えていけるか?
*私たちはどのくらい「情緒」を大切にして生きているだろうか?
✨終わりに:心の奥の感性を、そっと手入れする時間
お彼岸とは、単なる宗教行事でも年中行事でもなく、自分と自然と“見えない存在”を結ぶ静かな時間。
忙しい日々の中で立ち止まり、ふと自分の内側に耳を澄ませる。
そんな“心の節目”として、これからの時代にますます必要とされていくのかもしれません。
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毎月2回、日曜日に開催しています。テーマに正解はありません。どんな考えでも歓迎です。
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